自立活動で必要なこととは?
執筆:門脇 翠([ろう者学]担当)
今回は、ろう者学の取り組みの1つである、自立活動指導案の提供について取り上げたいと思います。今年より、指導略案をろう者学HPにて随時追加していますが、それにはどのような狙いがあるのでしょうか。大学、社会において、聴覚障害者が過ごしやすいようにする為には、周囲の理解や情報保障の依頼などが必要になってきます。それにはまず、聴覚障害者自身が動かないと何も始められません。私自身、重度の難聴でインテグレート教育を受けてきました。ことばの教室(難聴学級)の支援を受けながら小中学時代を過ごしてきました。にもかかわらず、高校、大学で自分に合った支援とは何か、自分のニーズについて悩んだ経験があります。授業では「口が読めるから大丈夫」という変なプライドがつきまとい、なかなか人に情報保障をお願いできなかったのです。情報保障に頼ることは、自分の障害に対する意識が変わってしまうと自己変化を恐れていました。しかし、大学での聴覚障害者との出会いを通して少しずつ自分の中で感化されたのか、いつの間にか情報保障を抵抗なく受けるようになっていました。大学に入る前に、自分を知り、さらに自分を発信できる力があれば、4年間をより有意義に過ごせたのでは?と、卒業して2年が過ぎた今でも思います。そんなエンパワメント力や自己形成を助けようと指導略案の提供が始まったのです。今後も随時追加していきますので、是非とも活用していただければ幸いです。