ゴールボールの体験授業 ~講師派遣の一例として~
執筆:中島幸則([体育・スポーツ]担当)
No.002のコラムで紹介しましたが、体育・スポーツ担当では、聴覚・視覚障害学生の体育・スポーツ活動に対する教育的支援を行っています。各大学等からの相談を受け、其々の大学に適した支援について、アドバイスを提供させて戴いています。
今回は7月にC大学で行われた『障害者スポーツ理解のための授業』についてご紹介します。C大学は駅伝部、野球部、ゴルフ部が全国でもトップレベルで、スポーツ活動がとても盛んな大学です。そんな運動部の学生が多く履修する「ライフスポーツ論」の授業で(受講者数35人)、普段は体験のできない「ゴールボール」を体験してもらいました。初めに視覚障害についての説明を行い、その後、アイマスクをした状態でアイスブレークとしてじゃんけん合戦、準備運動を行った後、受講者全員にゴールボールの体験をしてもらいました。最初は様子見をしていた学生も、ボールの鈴の音を頼りに楽しんでいました。
終了後、学生からは、「アイマスクをしてプレーをするときに、視覚以外の五感を使わなければという思いになり、普段は味わえない感覚を体験できて良かった」、「今後、障害者に対する知識を増やして、理解を深めていきたいと思った」等の、実際の体験から生まれる貴重な感想を持ち帰ってくれました。
体育・スポーツを通して、学生に障害の理解をしてもらいたいとお考えであれば、是非、お気軽にご相談下さい。
講習会における支援学生の役割
執筆:宇都野康子([情報保障]担当)
[情報保障]の取組では、パソコンノートテイク・情報保障に関するご相談に対応するほか、他大学で開催されるパソコンノートテイク講習会等へ講師を派遣しております。
聴覚障害学生が在籍する大学等では、支援学生を養成するため、毎年パソコンノートテイク講習会を開催するほか、単年度内に複数回開催することがあります。そのため、何度目かの講師としてお声をかけていただいた際には、時間やカリキュラムの相談と併せて「前回までの講座を受講した学生の参加と活動状況」について伺っています。すでに支援活動をしている学生が受講する場合には【アシスタント】として、講習会のお手伝いをお願いしています。講習会には利用学生の同席もお願いしていますので、利用学生への情報保障やデモ入力をご担当いただきます。パソコンノートテイクには大学ごとのルールがある
場合もありますので、講習会の中で入力のルール・訂正方法について講師側から質問をするなど、適宜発言いただいています。また、実際の講義支援の様子や、困ったことがあったときの対応方法についてもお話しいただくなど、パソコンノートテイクの活動について、受講生がイメージできるようにすることを目的としています。
講習会を受講したのち、パソコンノートテイクの支援活動を始めた学生が【アシスタント】として講習会のお手伝いをしてくださることは、講師を担当した私にとってとても嬉しく、頼もしい存在です。【アシスタント】となるからといって、支援の中心人物になるわけではありませんが、やはり「みんなを引っ張っていこう」という思いは持つようで、初心者の学生にも積極的に声をかけている姿が見受けられます。