部署間の連携でスムーズなパソコンノートテイクの導入へ
執筆:宇都野康子([情報保障]担当)
[情報保障]の取組では、パソコンノートテイク・情報保障に関するご相談に対応するほか、他大学で開催されるパソコンノートテイク講習会等へ講師を派遣しております。
パソコンノートテイクの担い手となる支援学生を養成することを目的とした講習会へ講師を派遣する際、併せてノートパソコンを貸し出すことがあります。これは、講習会を受講する人数分のノートパソコンを準備することも大変ですし、講習会で使用するソフトウェア[IPtalk]をインストールする、連係入力を行うためのIPアドレスの変更など、大学で管理しているパソコンでは設定が難しいことがあるためです。
以前、ある大学で、初めて学内で開催するパソコンノートテイク講習会へ講師を派遣し、併せてノートパソコン・周辺機材を貸し出しいたしました。その講習会には情報システム課の職員さんも同席され、講習会終了後に使用するソフトウェアや必要な機材(ハブやLANケーブル)についても質問を受けました。2回目以降は、その職員さんの全面的なサポートをいただき、学内のノートパソコンを使って講習会が実施できるようになりました。職員さんからは、ノートパソコンの設定について何度かご質問をいただき、直接やりとりしました。
障害学生支援を担当する職員さんだけでは、支援技術の全てを担うことは難しい面があると思います。このケースでは、まずは関連する部署の職員さんに講習会に参加を依頼し、実施したい内容・パソコンノートテイクの実施方法を把握いただいたのち、協力をお願いしたことで、部署間の連携につながったのだと思います。
障害者スポーツ体験会への講師派遣
執筆:栗原浩一 (「体育・スポーツ」担当)
[体育・スポーツ]の取組では、聴覚・視覚障害学生の体育・スポーツ活動について、「体育授業に関する支援・相談」、「講習会の開催や講師派遣」、「体育・スポーツ活動に関する情報提供」を実施しています。今回は10月に東洋大学で実施された、障害者スポーツ体験会への講師派遣についてご報告いたします。
10月29日に東洋大学白山キャンパスにおいて、「東洋大学キックオフイベント ―2020東京オリンピック・パラリンピックに向けて ―(※1)」の一環として、パラリンピック種目であるボッチャやゴールボールを体験するパラスポーツ体験会が実施されました。このイベントに、本学のアダプテッドスポーツコーディネーターを講師として派遣し、ゴールボールの体験会を実施しました。体験会には、在学生や教職員が参加し、競技の概要や、視覚に障害がある人と一緒にスポーツ活動を行う際の配慮についての講義を行った後に、実際にアイマスクを着用して音の出るボールを転がし合うことから始まり、最終的には簡易的なルールでのゲームまでを体験しました。また、東京パラリンピック出場を目指す現役のゴールボール競技者である、視覚障害のある東洋大学の学生もスタッフとして参加し、実際にデモンストレーションを見せたり、競技を観戦する際の見どころを解説してくれるなど、ゴールボールの魅力を伝えてくれました。
体験会に参加した方からは、「見えない人に対する、スポーツ場面での状況に応じた言葉のかけ方が難しかった」、「アイマスクをした競技者の目が見えているような動きに感心した」などの感想が得られ、スポーツ体験を一緒に楽しむことで、障害理解や障害者支援についての関心を高める契機とすることができたと思います。
体育授業や講習会・イベントでの障害者スポーツの導入・実施をご検討の際には、ぜひお気軽にご相談ください。
(※1) http://www.toyo.ac.jp/site/koza/113925.html